share-knowledge’s diary

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防御的リアリズムと攻撃的リアリズム

今回は、防御的リアリズム(Defensive realism)と攻撃的リアリズム(Offensive realism)の紹介です。双方ともにネオリアリズムに属するものの、そこから少し派生した理論です。ネオリアリストの間では、国家はどのくらいのパワーを必要とするのかという問いに対して、大きく二通りの考え方があります。

一 つは、ある国家がパワーを強化しようとすれば、力関係の均衡を保つために、他の国々も追随してパワーを強化するか、連携して対抗しようとする。したがっ て、国家がパワーを最大化しようとすることは賢い選択ではないし、国家が覇権を目指すのは愚かであると考えます。この考えは防御的リアリズムと称され、主 な論者にはケネス・ウォルツやロバート・ジャービスがいます。

二 つ目は、仮に国家が防衛的リアリズムに基づき行動するのであるならば、戦争は決して起きないはずであるが、事実はそうではない。むしろ、国家はパワーを最 大化すべきであり、最終的には覇権を目指すべきであるとする。なぜなら、覇権国家になることは、生存を保障する最善の方法だからであるという意見です。こ の考えは攻撃的リアリズムと称され、主な論者にはミアシャイマーがいます。