share-knowledge’s diary

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年齢・仕事経験と職場との関係について

Ng(2009)の論文からの興味ある点について下記に記載。

人は他の同僚よりも年齢が高い場合、仕事への意欲が低減し、かつ同僚からのサポートを受けずらい。他方で、年齢が近いと、同僚や仕事環境にポジティブな認識を持つ傾向にある。

雇用者が十分に義務を履行できない、雇用契約の約束を果たせていないと、被雇用者者が認識することで、相互の信頼関係は崩壊する。では、被雇用者はどの程度までなら、雇用者が義務を果たせないことに対して許容できるのか。研究の結果は以下の通り。

○ 年齢が高いほど、他者を理解する等の能力が増すことから、許容範囲は広くなる。
○ 仕事の経験値が高いほど、仕事の状況に関する正確な判断ができ、かつ過剰な落胆を避けることができるため、許容範囲は広くなる。

したがって、年齢が高く、仕事への経験値が高いことが、雇用者が義務を果たせていないことに対して、寛容になる傾向がある。他方で、寛容であるがために、状況を変えるための具体的な行動に移るのにやや消極的とも言えるのではないだろうか?

年齢の高い被雇用者ほど、雇用者に対してロイヤリティー(忠誠)を示す傾向にある。

(参考)Age, work experience, and the psychological contract(2009)