share-knowledge’s diary

論文やニュース等で私が面白いと思ったものをアップしていきます。

ロケット等発射により被害が生じた場合の責任

ロケットなどを発射する国は多いですが、最悪の場合、そのロケットにより被害が生じる可能性もゼロではありません。とすると、その被害は誰が責任を負うのでしょうか。

宇宙条約の第7条によると、「条約の当事国は、月その他の天体を含む宇宙空間に物体を発射し若しくは発射させる場合又は自国の領域若しくは施設から物体が発射される場合には、その物体又はその構成部分が地球上、大気空間又は月その他の天体を含む宇宙空間において条約の他の当事国又はその自然人若しくは法人に与える損害について国際責任を有する。」とあることから、ロケット等を発射したことにより、被害が生じた際には、ロケット等を発射した国に責任があります。また、第6条には、「条約の当事国は、月その他の天体を含む宇宙空間における自国の活動について、それが政府機関によって行われるか非政府団体によって行われるかを問わず、国際責任を有し、自国の活動がこの条約の規定に従って行われることを確保する国際的責任を有する。月その他の天体を含む宇宙空間における非政府団体の活動は、条約の関係当事国の許可及び継続的監督を必要とするものとする。国際機関が、月その他の天体を含む宇宙空間において活動を行う場合には、当該国際機関及びこれに参加する条約当事国の双方がこの条約を遵守する責任を有する。」とありますので、仮に政府機関がロケット等を発射したわけでなくとも、自国の領域内で行われた場合にも、その国が責任を有すると考えられます。