プロジェクト・メイブン(Project Maven)
Googleは、多数の社員の反対があったことから、参画していた国防省のAIパイロットプログラムProject Maven(プロジェクト・メイブン)から撤退することを発表しました。プロジェクト・メイブンは2017年4月に当時のボブ・ワーク国防副長官により、国防省のビックデータ、人工知能、機械学習の統合を進めることも目的として始まりました。
プロジェクト・メイブンはインテリジェンス担当国防次官の傘下のAWCFT(Algorithmic Warfare Cross-Functional Team)によって主導されており、その最初のタスクは国防省のアナリストの支援プログラムを作成することでした。国防省は日々の対ゲリラや対テロのオペレーションにより大量の動画・静止画データを収集しています。プロジェクト・メイブンでは、コンピュータビジョンのアルゴリズムを機械学習と深層学習により作成し、動画や静止画から“ターゲット”を自動的に抽出するためのシステムを構築していたようです。これにより、アナリストのパフォーマンスを現行の2~3倍に上げようとしていました。なお、このシステムがすでに作成され、導入されているかどうかについてはよく分かりません。Googleの撤退によりどのような影響があるかも不明ですが、2017年末までに最初のアルゴリズムをシステムに導入することになっていたようです。
(参考)
Project Maven to Deploy Computer Algorithms to War Zone by Year’s End
Project Maven Industry Day Pursues Artificial Intelligence for DoD Challenges