share-knowledge’s diary

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AIの導入方法ーAI Transformation Playbookー

Andrew Ng氏はAI時代にどのようにして企業を率いるかについて“AI Transformation Playbook”にて以下の5つを指摘しています。

   Execute pilot projects to gain momentum

   Build an in-house AI team

   Provide broad AI training

   Develop an AI strategy

   Develop internal and external communications

 

Execute pilot projects to gain momentum(モメンタムを得るためにパイロットプロジェクトを行う)

最重要なAIプロジェクトよりは、まずはいくつかの簡単なAIプロジェクトを成功させることが大切です。会社内の他の従業員に対して、AIプロジェクトが投資するに値するものであると認識させる必要があるからです。なお、最初のAIプロジェクトは、外部のAIチームがあなたの会社のチームと協力しやすいプロジェクトであること、技術的に理解しやすいものであること、プロジェクトの成果が分かりやすいものであること、などが良いです。

 

Build an in-house AI team(社内のAIチームを構築)

最初は外部のAI専門家を招いてAIプロジェクトを行うことになると思いますが、長期的にはあなたの会社内のAIチームでAIプロジェクトを行うことが効率的になると思います。そのAIチームは、会社全体のAI能力の構築、様々な部署を横断的にAIにより支援、採用基準等の構築、会社全体のプラットフォームを構築(例えばデータの集約)などに責任を負うことになります。なお、AI人材の獲得は難しいことから、最初は外部のAI専門家と協力しつつ、既存のスタッフをトレーニングすることにより、AI人材を育てることが良い方法になります。

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(参考)AI Transformation Playbookより

 

Provide broad AI training(幅広いAIトレーニングを実施)

AI人材を獲得することは難しいことから、社内人材を教育することが必要です。外部のAI専門家にAIプロジェクトをしてもらうというよりは、社内人材を指導しつつ、社内人材とプロジェクトを行うことにより、社内人材がAIの経験を積ませることが肝要です。

 

Develop an AI strategyAI戦略の策定)

最初のAIプロジェクトを成功させ、AIへのより深い理解を得たならば、AI戦略の策定のプロセスに入ります。これは、AIに関する十分な経験がないと、AI戦略はうまくいかないため、最初からAI戦略の策定で始めることは好ましくないようです。AI戦略と合致するAIアセットの構築を行います。ただし、Googleのようなテック企業と競合するよりは、あなたの産業部門(製造業等)におけるAI企業となることが望ましいです。Googleのようなテック企業が保持しないデータを有する産業ならば、競争優位を保つことができます。また、データの蓄積が競争優位を保つために不可欠です。これがAIの好循環を構築することがAI戦略上大切です。なぜなら、AIはデータが鍵となるアセットだからです。そのためには、データをどう集めるかという観点と社内のデータをどう集約するかという観点が必要です。ただし、データは何でも良いというわけではなく、良いデータの集約が必要です。あまり価値のないデータの集約はAIプロジェクトを失敗に終わらせるため、どのようなデータの集約が必要かをAIチームとよく相談する必要があります。最終的にデータを集約するプラットフォームを作ることができれば勝者総取りになります。(これはプラットフォーマー問題でもあります)

 

Develop internal and external communications(内外とのコミュニケーションの展開)

最後に投資家、政府の規制、顧客(ユーザー)、人材獲得、社内コミュニケーションを行っていくことの重要性が指摘されています。

(参考)AI Transformation Playbook How to lead your company into the AI era