share-knowledge’s diary

英語論文やニュース等で私が面白いと思ったものをアップしていきます。

ベゾスの“2枚のピザ”ルール

AmazonのCEOのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)は不要な会議を避けるために“2枚のピザ”ルール(two pizza rule)を持っています。これは会議にはピザを出すというわけではなく、2枚のビザが会議出席者に行き渡らないような人数が出席する会議はやらないということを意味しています。すなわち、会議は少人数で実施することが効率的だという考えがあるわけです。

Steven RogelbergとLarissa Barberの研究においても、多すぎる会議は会社の資本を浪費しており、より少ない会議は社員や組織の生産性を上げると結論付けています。Rogelbergは2011年に発表した論文“Wasted Time and Money in Meetings Increasing Return on Investment”にて、7~15%の会社の予算が会議に割かれていることを指摘しています。

 (参考)CNBC “How Jeff Bezos' 'two pizza rule' can help you hold more productive meetings”,“Fewer Meetings Can Boost Employee and Organization Productivity”

無人偵察機「ファイアスカウト」

MQ-8ファイアスカウトとは、ノースロップ・グラマン社製の警戒監視・偵察の任務を行う自律型ヘリコプターです。MQ-8Bという前モデルに比べて、新モデルのMQ-8Cはペイロードと滞空時間が大幅に改善されているようです。主要な特徴は以下のとおりです。

 

MQ-8B

MQ-8C

最大速度 

85kts

135kts

巡航速度

80kts

115kts

上昇限度

12,500ft

16,000ft

最大滞空時間

5.5時間

12時間

燃料&ペイロード

3,150lb

6,000lb

全長

31.5ft

34.7ft

(参考)航空情報(2017年4月号)

 

(読書メモ)トランプの黒幕

共和党保守派についてまとめた良書。興味深いと思った点は以下のとおり。

 ○共和党の大統領予備選挙は、民主党に比較的近いリベラルな傾向を持つ党内主流派と、小さな政府の原理原則を貫く保守派の二つの派閥が争って決まることが通例となっている。今回の予備選においては、主流派(マルコ・ルビオ、ジョン・ケーシック)、保守派(テッド・クルーズ)、イレギュラーな候補としてのトランプによる争いとなった。事前予測では、主流派のケーシックとルビオならば、ヒラリー・クリントンに勝利する予測が出ていた。一方で、クルーズとトランプは敗北との予測であった。予備選を勝ち抜き共和党の指名を得たトランプであったが、事前予測では敗北である。しかしながら、「ヒラリーよりはマシ」との妥協が共和党保守派に働き、トランプは保守派の支持獲得に成功することとなる。これにより、トランプはヒラリーと渡り合える基盤を獲得することとなる。他方、ヒラリー陣営は自らの支持層の投票棄権や、リバタリアン党や緑の党への党の流出を防ぐことができなかった。実際に、ヒラリーの得票は、接戦州においては前回の大統領選挙のオバマの得票よりも激減している。したがって、トランプの勝利は、共和党保守派の支持獲得とヒラリー陣営の自滅によってもたらされたと考えられる。

 ○メディアがヒラリーの勝利を全体とする報道をしていた件に関し、そもそも大手のリベラルなメディア(CNN、Washington Post、New York Times等)は民主党支持であり、共和党保守派を敵視している。大手メディアと主流派は相対的に良好な関係であるが、保守派とは敵対関係にあり、このため、保守派に支持されたトランプに対し批判的な論調で報道することとなる。日本の報道は大手のリベラルなメディアの後追い報道でしかないため、日本国内でもヒラリー勝利を前提とする報道がされたと考えられる。

 ○共和党保守派は自らの政策を実現させるために、シンクタンクを設立し政策の立案や人材の育成を図っており、代表的なシンクタンクにはヘリテージ財団がある。米国は政治任用制度があることから、シンクタンクより人材を政権に送り込まれる。今回のトランプ当選によりヘリテージ財団からトランプ政権に人材が送り込まれると考えられる。

 (参考)「トランプの黒幕」渡瀬雄哉(祥伝社)

対外政策分析(Foreign Policy Analysis)と国際関係(International Relations)の違い

ネオリアリストは、最重要アクターは国家であり、国家は自己利益を合理的に計算した上で行動すると考えています。一方で、対外政策分析の研究者にとって、最重要アクターは外交政策立案者であり、外交政策立案者は、国家が置かれた状況を定義づけたうえで、行動すると考えています。

リアリストにとっては、対外政策は、アナーキーな世界において終わりなく安全保障を求めるものであると考えますが、対外政策分析の研究者は、対外政策は一連の問題解決タスクであると考えます。

ネオリアリストにとって、パワーが最も重要な概念ですが、対外政策分析の研究者にとっては、パワーは一情報でしかありません。

ネオリアリストは国際システムの構造が国家の行動を規定すると考えますが、対外政策の研究者は、国際システムは単なる枠組みでしかありません。

 (参考)Houghton(2007) "Reinvigorating the Study of Foreign Policy Decision Making: Toward a Constructivist Approach" P25

予算委員会

予算委員会と次年度の予算を決めるための審査を行う委員会です。予算委員会における総予算の審査は以下のプロセスで進行します。

  1. 趣旨説明と補足説明:財務大臣が年度予算の趣旨説明を行います。また、財務副大臣、内閣府副大臣から補足説明を行います。
  2.   基本的質疑(参議院は総括質疑と呼称):内閣総理大臣以下全閣僚が出席することとされており、内閣総理大臣や他の閣僚は質問に対して答弁しなければならないこととなっています。
  3.   一般質疑:財務大臣や質問通告を受けた閣僚が出席することとされています。
  4.   公聴会:利害関係者や学識経験者などから意見を聞くこととなっており、中央公聴会と呼称されます。国会法51条2項において、総予算については公聴会を開かなければならないとされており、必ず開催されることとなっています。なお、地方公聴会については、国会法や議員規則に定められた正式な公聴会ではなく、議員派遣の一形態として行われています。
  5.   分科会:予算委員会の一般質疑とは異なり、各省庁毎に分かれ、質問に対して答弁を行うこととなっています。場合によりけりかもしれませんが、各省庁ごとに質問されるため、一般質疑よりもより細かい議論がされる傾向にあります。
  6. 締めくくり質疑:内閣総理大臣以下全閣僚が出席の下、最後の質疑が行われます。この質疑を踏まえて、最後に討論および採決となります。

(参考)新・国会辞典 第3版(有斐閣)

好きな言葉:コップ半分の水(小渕元総理大臣)

今年も第193回通常国会が始まりましたが、18年前の所信表明演説にて悲観主義から建設的楽観主義を唱えた小渕元総理のコップ半分の水の例えはいつの時代にも通底するものだと思います。以下はその所信演説からの抜粋です。

  第百四十五回国会の開会に当たり、私は国政を預かる責任ある立場にいる者として、施政に関する所信の一端を申し述べます。 本年、一九九九年は一九〇〇年代最後の年であります。と同時に次の新しい千年紀、ミレニアムを迎える前夜であります。千年紀をまたごうとしているこの重要な時期に、日本は経済的な苦難に直面しております。この苦難を克服し、次の世代に力強い品格あふるる、そして美しき日本を引き継ぐため、私は身命を賭して国政運営にあたる覚悟であることを、まず冒頭に申し上げるものであります。
 冷静な状況認識はもとより重要であります。しかしながら私は、いまや大いなる悲観主義から脱却すべきときが来ていると考えます。行き過ぎた悲観主義は活力を奪い去るだけであります。いま必要なのは、確固たる意志を持った建設的な楽観主義であります。コップ半分の水を、もう半分しか残っていないと嘆くのはたやすいことであります。私は、まだ半分も残っているじゃないかと考える意識の転換が、いままさに求められていると確信するものであります。私たちが愛してやまないこの日本は、必ずやこの困難を脱することができる、そういう土性骨の座った社会を創り上げたい、そのために私は蛮勇を奮い、間もなく訪れる二十一世紀への架け橋を築くために邁進することを誓うものであります。 

(参考)第百四十五回国会における小渕内閣総理大臣施政方針演説

Emotional Intelligence(心の知能)

感情を読み取るEmotional Intelligence(心の知能)はスキルやIQの倍ほど重要であり、過去の研究ではEmotional Intelligenceを有するリーダーがいる部署は20%ほど生産性が向上したことが分かっている。

心理学者のダニエル・ゴールマンは、Emotional Intelligenceを構成する5つの要素を挙げている。①Self-awareness(自己認識)②Self-regulation(自己規制)③Motivation(動機付け)④Empathy(共感)⑤Social Skill(ソーシャルスキル)である。

  1. Self-awareness(自己認識)・・・自分を現実的に評価でき、自虐的なユーモアのセンスを持つ。また、やりすぎて無理をすることもない。自らを的確に評価できるリーダーは自らの組織も的確に評価できる。
  2. Self-regulation(自己規制)・・・感情をコントロールできる。失敗した場合にはその原因を認識し、他のメンバーにも共有し、解決方法を提案できる。感情をコントロールできるリーダーは公正さや信頼のおける環境を作り出すことができる。これにより才能あるスタッフを引き付けることができる。
  3. Motivation(動機付け)・・・仕事に対してお金だけでなく情熱で取り組み、自分の能力値を挙げたいと望む。失敗した際に、外部環境に原因を求めたり、個人的失敗だと考えがちだが、Motivationを有するリーダーは、失敗から多くを学んだと考えることができる。
  4. Empathy(共感)・・・相手が何を言いたいのかをより深く理解できる。Empathyはますます重要になっており、チームワークやグローバルビジネス、それに優秀なスタッフを引き付けるために必要不可欠である。リーダーはチームメンバーを理解し、彼らが協力的に働くように手助けする必要がある。また、グローバルビジネスにおいては、様々な文化を有するスタッフがいるため、彼らを適切に理解する必要がある。さらにEmpathyを有するリーダーは、スタッフの満足度を高め、転職率を下げることができる
  5. Social Skill(ソーシャルスキル)・・・他人に対して親切かつ友好的であり、時にはなんてこともない雑談が関係構築に結び付くこともある。Social Skillをもつリーダーは、関係を固定化せずに広げていくことができる。 

(参考)The HBR Channnel "What Makes a Leader?" 5 Dec 2016