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態度(Attitudes)と行動(Actions)

態度(Attitude)は人の特定の行動に直接的に影響すると考えられている。しかしながら、LaPiere(1934)の研究によると必ずしもそうではないということが判明した。LaPiereは、中国やアジア系の移民排斥運動が起きていた1930年代の米国にて、米国のレストランやホテルのオーナーは中国人にサービスを提供するかどうかを尋ねたところ、多くのものはNoと回答した。Yesと回答したものはたったの1件だった。ところが、実際にはサービスを提供しなかったものはたったの1件で250のレストランやホテルは、サービスを提供した。すなわち、態度と行動は背反した結果になったわけである。この背景には、民族差別よりも利益を優先した、もしくは民族差別を他の客が否定的にとらえ、店の評価を下げることを恐れた等々があると推察された。いずれにせよ、この研究結果により態度は行動を規定する一要因であり、すべてではないとされた。

その後の著名な研究として、態度(Attitude)と行動(Action)の関係性に関してはTRA(Theory of Reasoned Action)がAjzen(1988)によって提唱された。これは、人の行動は、その個人の態度とその個人が社会的圧力をどう認識するか、の2つによって規定されるとするものであるとする。社会的圧力とは守らなければいけない規範や周りからの忠告等々が挙げられる。例えば、周りから禁煙するように求められている(社会的圧力)としても、それを従うに値する忠告だと認識しなければ、禁煙をしようとは思わない。逆に従うべきと認識する場合は、禁煙をしようと努力する。したがって、社会的圧力をどう認識するかは極めて重要である。

また、認識は行動によって影響を受ける可能性があることにも留意する必要がある。例えば、ある女性が避妊なしの性行為を危険であると認識しつつも、パートナーからの要望で避妊せずに性行為に及び、結果として性病や妊娠が生じなかった場合、避妊なしでの性行為を危険なものと認識しなくなる可能性がある。これは行動が認識へ影響を与え、過去の行動が未来の行動に影響を与える一例である。

このTRAにPerceived behavioural controlという三つめの要因を追加したのがTPB(Theory of Planned Behaviour)である。喫煙者の例を挙げると、ある男性は煙草をやめたいと思っていて(Attitude)、周りも煙草をやめるように忠告している(Social pressure)。それにも関わらず、彼は禁煙することができない。これは、自らの行動へのコントロールが効かないと妊娠記している状況になっているからである。この場合は、AttitudeやSocial pressureが禁煙へと一致していたとしても、喫煙を続けてしまうのである。

 

(おまけ) Attitudeの定義 “An attitude is a mental and neural state of readiness which exerts a directing influence upon the individual’s response to all objects and situations with which is related”( Allport, 1935, p 810)

₍参考) Fraser,C.and Burchell,B.(2000)Introducing Social Psychology.Cambridge: Polity Press. Chapter 12: Attitudes and Actions.