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LMX(リーダー・メンバー交換)理論

LMXとはLeader-Member eXchange の略称です。LMX理論はリーダーとメンバーとの関係に着目した理論です。リーダーとメンバーを様々な取引関係からなると考えます。そのため、リーダーがメンバーと望ましい関係を発展させるかたちで、リーダーシップが発揮されるとします。では、どのようにリーダーとメンバーの関係性を評価できるのでしょうか。Tekleb & Taylor (2003) は、リーダーとメンバーが互いの責務を実行できているかどうか、リーダーとメンバーのPsychological contract (心理契約)すなわち、メンバーがリーダーは契約した約束を守っていると信じているかどうかで評価しています。Garen & Uh-Bien(1995)によると、LMXの質が高ければ、メンバーの離職率を抑えられ、高い成果をもたらす。他方で、LMXの質が低い場合には、その成果は低くなるとのことです。

なお、このLMXで着目される概念がin-group(内集団)とout-group (外集団)という概念です。メンバーがリーダーとの関係は、組織の規定に基づいた上下関係のみの関係であると考える場合は、このメンバーは外集団に所属すると位置づけられる。他方で、メンバーがリーダーとの関係を単なる上下関係以上のものであり、特にはリーダーのために望んで職責以上のことを成し遂げようと考える場合には、このメンバーは内集団に所属すると考えられます。したがって、リーダーシップを発揮するためには、リーダーはメンバーをより多く内集団に所属させるように、メンバーとの関係を構築させていくことが求められるわけです。